建設業界「休めない、人手が足りない」 2024年問題を“さらなる苦境”にしないためには
「2024年問題」とは、2024年4月から、働き方改革関連法の適用範囲が拡大することによって生じる諸問題を総称したもので、とりわけ物流・運送業界、建設業界、医療業界に大きな影響をもたらすことが危惧されている。なぜこれらの業界だけに影響が及ぶのか。その背景事情と課題、各社で講じている解決策について解説。本記事では特に建築・建設業界についてまとめる。(前後編の後編)
新田 龍
2024.11.10
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さまざまなメディアで「2024年問題」が取り沙汰されている。2024年問題とは、これまで働き方改革関連法の「時間外労働の上限規制」が猶予されていた物流・運送業界、建設業界、医療業界にも上限規制が適用されるようになったことで起こる諸問題を指す。
長時間労働がはびこるこれらの業界において、労働時間の上限規制は労働環境改善につながるはずだ。しかし一方で、一人当たりの労働者が合法的に働ける時間が減ってしまうことにより、事業者側はこれまで以上に多くの人員を確保しなければならなくなる。
影響は人手不足に苦しむ事業会社のみならず、物流の停滞や建設工期の遅れ、公共交通の路線網廃止、医療提供体制の弱体化など、社会構造自体にも及ぶため、社会全体で働き方を問い直すことが求められそうだ。規制の時間数や例外規定は業種により異なる。
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- 建設業 法改正における課題
- 法改正への考えられる対策とは
- 社会全体で「値上げ歓迎ムード」を醸成し、堂々と値上げしよう
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