ブラック企業はなぜ生き永らえているのか? 日本人が「低収入、長時間、パワハラまみれ」でも働き続けるワケ
ブラック企業=「労働環境劣悪で、遵法意識も低く、従業員を使い潰すような悪質企業」との認識が広く共有されるようになった現在でも、なぜか劣悪な労働環境はなくならない。いったいなぜ、ブラック企業はいまだに生きながらえているのだろうか。(前後編の前編)
新田 龍
2024.11.09
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「ブラック企業」という言葉が生まれて二十余年。これまで、新語流行語大賞のトップ10入りしたり、ブラック企業を題材とした映画が公開されたり、実際にブラック企業の労務トラブルが世間を騒がしたりしたことなどで広く知れ渡ることとなった。現在はいちいち語義を解説しなくとも、ブラック企業=「労働環境劣悪で、遵法意識も低く、従業員を使い潰すような悪質企業」との認識が共有されている。
しかし、まだまだブラック企業はしぶとく生きながらえており、いまだに「知らずに入った会社が実はブラック企業だった!」といった被害報告は絶えることがないのだ。いったいなぜ、ブラック企業はいまだに生きながらえているのだろう。
実は、その理由は複数存在し、それぞれが複雑に絡み合っている。いずれか一つだけを解消したところでブラック企業が根絶するわけではなく、一つづつ根気よく解決していかねばならない難問なのである。本稿では、中でも代表的な「ブラック企業を延命させている元凶」を7点挙げ、それぞれについて解説していきたい。
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- (1)「ブラック企業」という言葉そのもの
- (2)過度に「コスパ」を求める一般消費者/過剰サービスを求めるモンスター客
- (3)ブラック企業を支える就職希望者
- (4)抑止力になっていない司法
- (5)非効率企業も守られる、産業保護政策
- (6)恣意的な報道をおこなうマスメディア
- (7)日本独自の雇用慣行
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