【独自】スルガ銀行 不正融資問題の再燃
2018年の「かぼちゃの馬車」事件から7年。スルガ銀行(本店・静岡県沼津市)が、再び不正融資疑惑の中心に立たされている。不動産投資ローンを利用した個人が「銀行の関与によって資産情報が改竄され、実際には返済不可能な融資が実行された」と訴えているのだ。同行の構造的欠陥と、沈黙する銀行の説明責任を考察する。
新田 龍
2025.11.01
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信頼回復宣言から7年、再び浮上する改竄疑惑
2018年の「かぼちゃの馬車」事件から7年。スルガ銀行(本店・静岡県沼津市)が、再び不正融資疑惑の中心に立たされている。不動産投資ローンを利用した個人が「銀行の関与によって資産情報が改竄され、実際には返済不可能な融資が実行された」と訴えているのだ。
被害を訴えるのは東京都在住の会社員、K氏。氏は投資用マンションの購入に際して、スルガ銀行を通じてローンを組んだのだが、その際、銀行側に提出した個人の預金通帳や収入証明書の数字が、なんと銀行によってK氏に無断で書き換えられるという事態が発生した。結果としてK氏の返済能力を大きく上回る、約2億円もの融資が実行されてしまったのだ。
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- スルガ銀行――地方の雄から不祥事常連へ
- 被害の始まり――改竄された「原本確認済」通帳
- 想定を超えた赤字と生活の破綻
- 銀行の回答:「個別案件にお答えできない」
- 被害者が直面する「非対称の壁」
- 法的観点から見た問題点
- 「成果主義」の影に潜む倫理崩壊
- スルガ銀行が抱える制度的限界
- 再発防止のための道筋
- 金融機関の「沈黙」は罪
- 「終わらせる」のではなく「明らかにする」
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