「運転士不足」で済ませるな ー安さと安全を現場に押し付けた公共交通の限界ー

1日1000人超の利用者がいるバス路線の廃止原因は「運転士不足」だけなのか? 低賃金やカスハラだけでは説明できない、高額な資格取得費用、事故リスク、道路事情、行政の縦割り、自動運転への不安、そして「安く・便利に・安全に」を求めながら、そのコストを誰も負担したがらない社会構造…問題の本質と解決策を掘り下げる。
新田 龍 2026.07.15
読者限定

千葉県千葉市で、1日1000人を超える利用者がいるバス路線の廃止が検討されている。

対象路線の沿線には団地や住宅街があり、通勤、通学、通院、買い物など、住民の日常生活を支えてきた。代替となる公共交通機関も十分ではない。それでも事業者は、運転士不足と道路状況を理由として、複数路線の廃止を関東運輸局に届け出た。

1日1000人超の利用者がいる路線でも維持できないという事実は、問題が単なる「利用者減少」や「バス会社の経営努力不足」ではないことを示している。

この記事は無料で続きを読めます

続きは、7471文字あります。
  • 「運転士の給料を上げろ!」では済まない
  • そもそも、入口から既に割に合っていない
  • 「運転するだけ」では終わらない仕事
  • 休めない職場は、人を失う
  • あらゆるリスクが運転士個人に集中している
  • カスハラのみならず、「過剰サービス」も問題だ
  • バス会社には解決できない「道路事情」という問題
  • 「自動運転で仕事がなくなる」という不安
  • 公共交通を独立採算だけで評価する限界
  • 現実的な解決策
  • 運転士不足は、労働条件の自然な結果である

すでに登録された方はこちら

読者限定
「深刻なハラスメント」で済ませるな。佐藤二朗氏騒動に見るフジテレビの現...
読者限定
銀行窓口で高額現金出金を求めた利用者は「カスハラ」だったのか?
読者限定
「試用期間ならクビにできる」は大間違い ー問題社員に会社が負けないため...
読者限定
“助けてください投稿”は美談か、販促か―「善意を動かす商売」の危うさと...
読者限定
西日本シティ銀行「BeReal.流出」問題は、なぜ単なる「若手の軽率」...
読者限定
「厳しくするとパワハラ」「優しくしたら育たない」ホワイトハラスメント時...
読者限定
新卒「売り手市場」から一転 なぜ大手は「厳選採用」に向かうのか?
サポートメンバー限定
面接で「何を見ればいいのか」分からない人へ─人材の再現性を見抜く「ST...