新卒「売り手市場」から一転 なぜ大手は「厳選採用」に向かうのか?
「売り手市場」と言われていたはずの新卒採用に、いま静かな異変が起きている。
つい先日まで、多くの企業は「学生優位の時代」「優秀な学生は取り合いになる」などと語り、初任給引き上げや採用広報の強化に力を入れていた。実際、大手企業の間では、新卒初年度から月給30万円台後半~40万円台の金額を提示するなど、従来よりも高い初任給を打ち出す動きが相次ぎ、それがニュースとして大きく取り上げられてきたことは読者諸氏の記憶にも新しいはずだ。社会全体としても少子高齢化が進んでいるため、多くの人は「新卒採用は今後も人数確保が最優先で、しばらくの間は売り手市場が続くのだろう」と受け止めていたはずである。
ところが、ここへきて一部の大手企業が、新卒採用人数を絞る方向へ動き始めたとの報道が相次いでいる。たとえば共同通信社が4月19日、主要企業111社に実施した2027年度入社の新卒採用に関するアンケートでは、前年度実績より「減らす」と回答した企業は前回調査から11ポイント増加の23%(25社)で、「増やす」と回答した企業を5年ぶりに上回っている。
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- 採用減という「違和感」の正体
- 「売り手市場=誰でも採る」ではない
- 「採用失敗の蓄積」が企業の行動を変えた
- 「1人の採用ミス」が企業に与える重み
- 業務変化とAIが、「採用の前提」を崩している
- 「数を減らす」「質を上げる」が同時に進行
- 採用厳選化の正体は、企業の「失敗できない構造」
- 「厳選採用」と「初任給引き上げ」は矛盾しない
- 厳選採用時代、採用側に求められる力とは
- 求職者側に起きている「静かな選別」
- 企業側が求職者を見極めるポイントとは?
- 売り手市場でも進む「採用の二極化」
- なぜ「急激な変化」のように見えるのか
- 変化は不可逆的に起きている
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